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権力をめぐる3つの疑問
アメリカ人は一般に、権力(パワー)とその力学(ダイナミクス)を快く思わない。権力をほしがり、やっきになっている人を見ると、その動機を怪訝に思う。「その人は自分を操ろうと考えているのではないか」と不安を抱くこともある。
組織内の権力争いは避けて通れないと考えている人でも、いざ自分自身が権力を行使しなければならない場合、多少なりとも後ろめたさを感じることが多い。つまり、アメリカ人は権力に否定的なのだ。
このような態度や考え方はいまに始まったものではなく、アメリカ建国にまで遡ることができる。法学者のチャールズ A. ライクは、ベストセラー『緑色革命』[注1]で、さまざまな人々の考え方を描き、こう述べている。「権力の乱用が悪いのではなく、権力が存在することが悪なのである」