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成否の分かれ目は何だったのか
2006年、イギリスの金融機関2行──ここでは、サクソン銀行とアングロ銀行と呼ぶ──のリスク管理部門のトップは、同じような状況にあった。彼らは、どちらもCEOの直属の部下であり、理屈から言えば組織で同じ程度の影響力を持っていた。
ところが2011年には、サクソン銀行のリスク管理グループは共通の目標を軸に結束し、同行のさまざまな部門のきわめて重要な業務に深く関わるようになっていた。一方、アングロ銀行のリスク管理部門は、ゆるやかに連携する2つの専門的なグループに分かれており、専門外の分野においてはほとんど目立たない存在になっていた。
この2行について我々が行った詳細な調査は、リスク管理の専門家のみならず、職能のスペシャリストで、影響力を求めている人々──経営コンサルタント、内部監査役、人事担当者、マーケティング担当幹部など──にとっての教訓となる。