1856年創業のイギリスの老舗ブランド「バーバリー」。日本ではまだあまり知られていないが、ここ数年でもっともめざましい成長を遂げたラグジュアリーブランドだ。その最大の成功要因は、徹底したデジタル化の推進にある。アップルやグーグルなどと比較されるほどイノベイティブな企業として評価される同ブランドのデジタル戦略とは何か。

バーバリーのWEBサイトは9ヶ国語に対応。さらに、全世界から同じ商品が購入できる。
ラグジュアリーブランドには、ブランドを象徴する代表的な商品があります。ルイ・ヴィトンのトランク、エルメスのバーキンやケリーバック、カルティエのトリニティリングなど、それはブランドのアイデンティティと密接に結びついた神聖なものであるために、各ブランドは商品の隅々に至るまで、非常に細かい配慮のもとにデザインを決めています。
しかし、もしそうした商品がネット上で自由にカスタマイズできるとしたら?そんなラグジュアリーブランドの常識をくつがえす試みを実現したのが、バーバリーです。
2011年11月、バーバリーはブランドの象徴ともいえるトレンチコートのカスタムメードオーダーを「バーバリー・ビスポーク」としてスタート。色や形といったコートの基本デザインからボタン、カフス、ベルト、ファーの有無までオンラインで選ぶことができ、その種類は約1200万通りにも及びます。

バーバリーのサイト上では、「バーバリー・ビスポーク」として、トレンチコートのカスタムメード・オーダーが可能。そのパターンは約1200万通りにも及ぶ。
価格帯も幅広く、25万円からスタートし100万円以上する組み合わせまでさまざま。もちろん、商品の自分好みなカスタムは日本を含む全世界からオーダー可能です。
トレンチコートのカスタムメードだけでなく、バーバリーはここ数年、デジタル戦略の積極的な推進によって目覚ましい成長を遂げました。eコマースへの対応に始まり、他のラグジュアリーブランドに先駆けてソーシャルメディアに公式アカウントを開設。現在ではフェイスブックに1600万以上のファン、ツイッターに250万以上のフォロワーを抱える人気ブランドとなっています。