未知のブランドでもコーディネートできる“編集力”がバーニーズの財産

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エシカルファッションといった新しい潮流も積極的に取り入れている。画像は女性に人気のニューヨーク発のエシカルブランド「マイエット」。

 バーニーズの商品ラインナップでは、「サンローラン」や「ドリス ヴァン ノッテン」のような有名デザイナーズブランドのほか、エシカルファッションの「マイエット」、ストリートとモードを融合させた「ロング ジャーニー」といった新進ブランドにも力を入れています。

 しかし、バーニーズが紹介者となって仕入れたこうしたブランドには、顧客から見れば未知のケースもあります。それがきちんと売れている背景には、バイヤーの目利き力もさることながら、店舗におけるスタッフの“編集力”も大きいようです。

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ラグジュアリーのイメージが強いバーニーズだが、最先端のストリートファッションもバランスよくそろえる。画像は今シーズンより扱うニューヨークのブランド「ロング ジャーニー」。

 「意外性のあるコーディネートを提案するためには、ただ幅広いブランドの知識があるだけではだめで、接客するスタッフの編集センスが問われます。それは、ストリートのトレンドをどうやってモードに落としこむのかといった意味での“編集力”です。バーニーズの財産はバリエーション豊かな商品ラインナップに加え、ファッションが好きでたまらない各スタッフの力でもあるのです。そのふたつがそろって、初めてエンターテインメント性にあふれたショッピングを提供することができます」(上田谷社長)

 実際、バーニーズではリピーターには美容室のように担当者が付きます。顧客の好みを知り尽くしたスタッフが予想を超えるコーディネートを提案することで、ショッピングを“ただの買い物”ではなく、“驚きのある体験”に変えているのです。

 また、値引きやポイントアップのキャンペーンをやめた代わりに、顧客向けのイベントやパーティーも精力的に行ってきました。

 「意識しているのは、大人がオシャレをして集まれる場所の提供です。DJの沖野修也さんとの音楽イベントでは、子持ちの方でも来られるように、『タバコはなし、夜6時まで、子連れOK』という健全なクラブイベントをつくりました。すると、普段はオシャレをする機会のない大人たちが、ドレスアップして来てくれたんです。値引きに頼らなくても、こうした工夫をすればお客さまとの絆を深めることができるという手応えを感じました」(上田谷社長)