ランキングが明かす意外な事実

 今日の経済不安を招いた原因として、短期的思考が非難の的になっている。これがきっかけとなって、CEOの業績を評価するに当たり、どれくらいの期間が妥当なのかについて議論が巻き起こっている。

 事業を長きにわたって営むなかで、必ず浮き沈みに直面するが、CEOはこれに、どのように対処するのか──取締役会、経営陣、投資家の関心はここに集中している。多くの役員報酬規程では、長期は3年間と定義されているとはいえ、CEOのリーダーシップを正確に測定するには在任期間すべての企業業績について評価する必要があるだろう。

 本稿で紹介するランキングは、2009年9月30日までに、大手上場企業のCEOが任期中(または在任中)にどのような業績を達成したのかを初めて示したものである。これを作成するに当たり、全世界のCEO約2000人のデータを収集した。

 その第1位に輝いたのはアップルのスティーブ・ジョブズだが、これは別段驚くものではなかろう。しかしこのランキングでは、いくつか意外な結果が出た。

 まず、あまり馴染みのない顔ぶれが上位に名を連ねていることに気づくだろう。逆に、評判の高いCEOが、図表1「世界のCEOベスト50」、さらにはベスト100やベスト200[注1]にも入っていなかったりする。

 実際、本ランキングのCEOには、『バロンズ』紙の「最も尊敬されるCEO」や『フォーブス』誌の「CEOの報酬ランキング」に登場している人は少ない。