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企業の株主は、次の4つに分類できる。短期で少数の株式を保有する「通行人」、短期で多数の株式を保有する「アクティビスト」、長期で少数の株式を保有する「応援団」、そして、長期で多数の株式を保有する「パートナー」だ。企業が最も大切にすべきなのは、持続的な成長を期待してくれるパートナーである。彼らの期待に応えるために、経営者は何をすべきなのか。本稿では、短期の事業計画だけではなく、長期の企業戦略を語る重要性が示される。
業績と株価は必ずしも連動しない
企業の価値は時価総額で表される、といわれる。これは企業価値の重要性という意味では正しい認識だが、時価総額は、100%株式価値を必ずしも表すものではない。株価に一喜一憂しても仕方がないのだ。
株価は、さまざまな理由で変動するものだ。株価が変動した際、その要因をもっともらしく説明されるが、私はその説明にまったく興味がないし、将来市場予想もまったく信用していない。株価は、資金の株式市場への需給関係で決まるだけである。株価が上がると考える人が多ければ買いが上回り株価が上がり、下がると考える人が多ければ売りが増え下がる。株式の時価は、あくまで、その時に1株売買できる価格にすぎない。そのため、その価格に株数を乗じた時価総額は、企業そのものの純粋な100%株式価値を示しているとはいえない。同じ理由から、株価は企業の業績と必ずしも連動しているともいえない。