ハンズオフ型上司の問題点を明らかにしたら、そのような態度をとる原因を知る必要がある。取るべき対処法は、問題の根本原因によって異なる。以下のケースを参考にしてほしい。

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原因①:上司は仕事に尽力していない。任務に集中する気がない、またはできない。あるいは単に、能力が不足している。

対処法:共感を持って接し、本人なりにベストを尽くしているのかもしれないことを認める。「自分がどう上司をサポートできるか」、「自分が必要なサポートは、どうしたら(この上司以外からも)得られるか」を考える。

原因②:上司は細部よりも大局ばかりを見る傾向にある。維持すべきことよりも、変える必要のある物事に目を向ける。

対処法:上司の介入が必要な場合にそのことを明確に示す方法について、上司としっかり話し合う。

原因③:部下に権限を与えて育てようという、強い信念を上司は持っている(そのことに本人が無自覚である可能性もある)。若い頃に、自分も上司の過剰管理に悩まされた経験があるのかもしれない。

対処法:信頼し権限を与えてくれることに感謝の念を表しつつ、もう少し指導してくれるとありがたいと伝える。

原因④:みずからの上司や同僚、あるいは社外のステークホルダーへの対応を優先し、部下のマネジメントが後回しになっている。

対処法:上司がそのネットワークを大事にすることで、あなたに恩恵はあるかを考えてみる。もしあるのなら、上司の行為はあなたのためでもある。

原因⑤:上司はあなたに非常に大きな権限を委譲し、監督不足であるとさえ感じさせる。一方で、正反対の経験をしている(その上司から厳しく管理されている)同僚もいる。

対処法:あなたに対する信頼の証と受け止める。感謝の念を表しつつ、もう少し指導してくれるようお願いする。

原因⑥:上司はごく少数の重要分野に深く関与し、他のことに対しては注力する時間や余裕がない。

対処法:上司はあなたの担当分野について、優先順位が高いとは考えていない。このことを認めたうえで、上司との定期ミーティングを設定して継続的な関与を促す。

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