●直感を信じる
マネジャーという新しい任務に就くと、不安定な心持ちになることもあるだろう。新しい考え方や行動を必死に学ぶなか、自分は間違っているのではないかとたびたび感じるかもしれない。
しかし、直感は無力ではない。プロジェクトが脱線しつつあるように感じたら、対応が手遅れになるまで待ってはいけない。あなたは優れたリーダーになる方法を模索している最中かもしれないが、仕事が遂行されているかどうか、そして適切に成されたかどうかについて、その直感はおそらく的を射ているだろう。特に、あなたが過去にその仕事を経験している場合には。
多くの新任マネジャーは、期限に遅れている部下や、何らかの困難に直面している部下と向き合うことを先延ばしにする。自分の直感を信じられないため、あるいは問題への前向きな対処法に確信が持てないためだ。
だが、事態が悪化するまで待つよりも、とにかく腰を落ち着けて話し合う場を持つべきだ。部下たちの状況を把握しておき、定期的に進捗を確認しておこう。そうすれば、何かがうまくいっていないと感じたあなたの直感はおそらく正しいはずだ。
●自分の成長を長い目で見る
日々の任務をこなしていればよかった個人プレーヤーが、マネジャーやリーダーに求められる大局的な視点を持つために意識を転換するには、時間がかかるものだ。これらのスキルが短期間で身に着くことを期待してはいけない。また、目標達成とチームの指導をうまく両立させようとするなかで、数度の挫折に気を落としてはいけない。
ほとんどの人は生まれながらのマネジャーではないのだ。マネジメント思考は、実践を通じて習得でき磨くことができる。
困難な状況に陥った時(そうなるのは避けられない)、あるいは新たな任務に押しつぶされそうだと感じた時、一息ついて以下の問いを自身に投げかけてみよう。
1.直属の部下の長所と短所を、明確に理解しているだろうか。それとも自分を比較対象にしているのではないか。
2.チーム・組織の能力、課題、期待されるべき物事について、長期的な視野で考えているか。
3.答えよりも質問をより頻繁に発しているか。
4.締め切りと成果物を明確に設定し、その方法についてはチームに任せているか。
5.自分の直感を疑っていないか。
6.マネジャーとして、時間をかけて成長しようという粘り強さがあるか。
HBR.ORG原文:Do You Have a Manager’s Mindset? October 01, 2015
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ケイティ・タイナン(Katy Tynan)
マインドブリッジ・パートナーズの共同創設パートナー。起業家・コンサルタントであり、未来の働き方に関する専門家。新著にFree Agent: The Independent Professional's Roadmap to Self-Employment Success(Productivity Press, 2015.)がある。