製薬会社イーライリリーでは、提携企業と共同開発した製品の成功には、提携当事者間の「対立による苛立ち」が寄与しているという。提携・協業における対立を、なくすのではなく適切に管理する要諦は何か。


 真珠貝と提携(アライアンス)には共通点がある。それは、少しの「苛立ち」によって美しいものを生み出すことだ。提携パートナーとともに技術的・商業的に成功する製品を生むためには、両者の対立こそ必要なものかもしれない。

 製薬会社のイーライリリー・アンド・カンパニーは、提携の健全性を評価するために、社内で提携に関する意見をアンケート調査している(Voice of the Alliance Survey)。これは提携した両社のメンバーが、戦略、オペレーション、文化の3領域における適合性の観点から提携を評価するものだ。質問の例として、「提携相手の持つ知識と情報が当社で自由に共有されているか」「提携相手は当社のアイデアや意見に積極的に耳を傾けているか」などがある。