最後に、マインドフルネスと組織・人との関係が1枚の図で示された(図表5)。
まずマインドフルネスの実践があり、個人のメタ認知が高まっていく。自己認知が高まり、個人のEIが高まるサイクルがつくられると、結果の質が上がり、それがまたマインドフルネスの実践につながる。実際にレバレッジポイントを強化すると、このループが自然に回る。EIが上がって結果がついてくると、EIやマインドフルネスをやるべき理由が見つかる――。
荻野氏は「ベストセラー『EQ こころの知能指数』を書いたダニエル・ゴールマン博士は、EQは自己認識、自己管理、モチベーション、共感、社会的能力の5つのコンピテンシーから成り立っており、なかでも大事なのが自己認識だと言っている。それが他のコンピテンシーの基礎となる」と語り、脳科学による知見を紹介した。
「脳科学的にもマインドフルネスが感情制御や自己認識の向上などのEIのコンピテンシーに効くことが実証されている。これまでEIはどうやって高めたらいいかわからなかったが、いまでは測定も高めることも可能であると考えられる」
「マインドフルネスの実践を通じて自己認識力を向上させることでEIのスキルが上がり、最終的にリーダーシップ力が高まっていく。事実、クリアな思考やマインドを保っておく必要のある社長や役員ほど、マインドフルネスを実践している人が多い」
EIスキルの向上は、今後ますます必要となってくるだろう。
(了)
※2019年3月15日、東京・紀尾井町ヤフー本社17階オープンコラボレーションスペース「Lodge」にて開催。