組織とリーダーが学ぶべきこと
第1に、この結果を見れば、ミスを犯したときに最も批判されやすいリーダーのタイプがわかるだろう。社内で不正行為が発覚すると、会社の評判や株価や業績に影響が出ることが多い。多くの社員は、最前線にいるリーダーが会社の評判を守ってくれることを積極的に期待する。だが、筆者たちの研究は、その戦略の効果はリーダーのタイプによって異なる可能性があることを示している。
第2に、筆者たちの研究は、危機が起きたとき、支配型リーダーがトップにいる組織が取りうる措置について、有益な枠組みを提供する。可能であれば、バッシングを回避するために、信望型リーダーを危機対策の顔に据えることもできるだろう。迅速に対策を講じて、素直に謝罪し、自分たちの行動を適切に説明するのもいい。
第3に、筆者たちの発見は、通常、不正行為の処罰を決定する役割を担う規制当局やコンプライアンス担当者、さらには企業オンブズマンにとっても重要だ。リーダーのタイプなど、ささいな特徴に気を配れば、バイアスの影響を受けない決断を下しやすくなるだろう。
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ヘマント・カッカー(Hemant Kakkar)
デューク大学経営大学院助教(経営学・組織学)。社会心理学と地位の進化論に基づき、社会的ヒエラルキーおける個人と集団の決定と行動を研究している。社員がポジティブな逸脱行動とネガティブな逸脱行動の両方に参加する傾向があることも研究テーマの一つにしている。





