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同僚が自分よりも先に昇進したり、上司が派手な休暇を過ごしたりしている様子を見て、「羨ましい」という気持ちが湧いてくることはないだろうか。非常に人間的な反応ではあるが、リーダーがそのような振る舞いをしてしまうと、チームの文化に悪影響をもたらし、メンバーの士気を低下されることにつながる。本稿では、それを防ぐための3つの方法を示す。


 2人のリーダーがミーティングを終えて会議室から出てくる。

 1人は大口クライアントを獲得したばかりで、もう1人がおめでとうと声を掛ける。祝意を表したリーダーの耳に届かないところまで行くと、クライアントを獲得したリーダーが、同僚に向かってこう言う。

「以前のあいつは羨望心でいっぱいだったのに、いまでは私におべっかを使っている。私のクライアントの仕事に関わりたいからだ。彼はおいしいところだけ欲しがるが、私はこのために身を粉にして働いた。これであいつも、リッチな暮らしを自慢しているときに、私たちがどう感じているかがわかっただろう」

 同じようなやり取りが、別のクライアントのオフィスで交わされているのも目にしたことがある。前述の大口顧客を獲得したリーダーの発言を聞けば、彼が祝いの言葉を述べた人に羨ましがられたことを楽しんでいると同時に、かつてその人の成功を羨んでいたことがはっきりとわかる。

 だが、もしこのリーダーが正直者なら、こう言っただろう。「彼と比べると自分は劣っていると感じるから、彼にも自分が劣っていると感じてほしい。だから、今回獲得した仕事には関わってほしくない」