●簡単に自己紹介する
転送用メールのポイントは、紹介してほしい相手が、あなたについて知る必要のあるすべてを伝えることだ。メールの導入部として、数行(お勧めは3行ほど)で自分が何者かと、今回の依頼にふさわしい情報を記す。たとえば、私がビジネスで人を紹介してもらいたいときには、自分が非常勤講師をしていることには触れない。長々とした経歴書ではなく、「ツイッター・サマリー」をイメージして書こう。
●動機を明らかにする
次に、なぜつながりたいのか具体的な理由を書く。こちらも3行以内に収めることをお勧めする。「立ち上げたフードビジネスに投資してくれる人に会いたい」「論説を書いたので掲載を検討してほしい」「どうしたらあなたが講師を務める大学のリーダーシップ講座を受講できるか、アドバイスをいただきたい」などは、すべて明確な依頼だ。他にも今回の依頼に関して目立った情報があれば、ここに端的に記す。自分のビジネスの詳細や背景など、依頼に応えてもらうために重要になると考えられる内容だ。
●下調べをしておく
相手についてきちんと調べたことを示そう。フードビジネスの資金調達をしたいならば、「サラはフード業界の投資家だからお会いしたい」と書く。「地方紙のオピニオン・エディターをされている」ジェーン。「応募しようとしている大学の学生指導ご担当の」ジャミラ。「その世界の人」に会いたい、といった一般的な表現は避けたい。
また、相手の名前の綴りをよく確認すること。最近、やたらと私をRuckikaやRachika、Rushikaと呼ぶ転送メールをもらうことがある。人の名前を確認する時間を惜しむ人に、わざわざ時間を使って返信しようとは思わない。
●相手の手間を省く
転送用メールの最後には、自分と手間なく連絡を取れる方法と時間を記す。私は通常、こんなふうにメールを締めくくる。「ふだんはシアトルにおります。この先1ヵ月は、平日でしたらほぼご都合に合わせられると存じますので、お会いできれば幸いです」
カレンドリー(Calendly)のようなスケジュール調整アプリを使っている人は、念のため、自分のスケジュールのリンクも送っておこう。さらに、メールの最後にリンクトインのプロフィールやウェブサイトのリンクを貼っておくと、仲介者も転送用メールを受け取った人も、わざわざあなたのことを検索する手間が省ける。
●ダブルオプトイン紹介を想定する
転送用メールを送れば、仲介者は相手が紹介に乗り気かどうかも確認できる。つまり、ダブルオプトイン(二段階の意思確認)による紹介が可能になる。私はあえて、それを想定した転送用メールを送っている。「サラに私とつながる意思がおありかどうか、よろしければ下記の転送用メールを使ってご確認ください」。こうすれば、仲介者はすんなりと確認できる。「サラへ。ルチカから下記のリクエストが来ています。ご紹介してもかまいませんか」
●カレンダーで招待状を送る
メールが転送され、相手が会ってくれることになったら、カレンダーアプリで招待状(出席依頼)とダイヤルイン情報を送るのはあなたの仕事だ。できれば、ミーティングの目的をまとめた簡単なアジェンダも添えたい。会議依頼のタイトルという形でもよいし、必要なら詳しいアジェンダでもよい。
カレンダーで招待状を送るとき、最初に自分の名前を書くと、それが相手のカレンダーに表示される。たとえば、私がカレンダーで招待するとしたら、予定のタイトルを「キャンダーのルチカ、論説の件でサリーと顔合わせ」などとするだろう。ミーティングまで日にちが開く場合は、これが特に役立つはずだ。
●何より感謝の気持ちを表す
私はいまでも、「ありがとう(thank you)」や「お願いします(please.)」という基本的な言葉が抜けた依頼メールをもらうことが、少なからずある。紹介後、何らかの実を結んだときでさえ、ソーシャルメディアで初めてそのことを知る場合が多い。仲介者には可能な限り、簡単にでもその後どうなったかをメールで報告しよう。役に立ったとわかれば、また次回も紹介してくれる可能性が高い。
1日3000億通近いメールがやり取りされているというが、その数は今後も増える一方だろう。雑音を増やすのではなく、自分を助けてくれる人の手数を減らす努力をしよう。それはつまり、紹介を依頼する相手のことや方法をよく考えることだ。
そうすればもっと意義深いつながりが得られ、人脈が広がる。そして、女性が人のために余分な重荷を背負わされる中、転送用紹介メールが、そうした偏った期待を少しでも均等に配分することにつながればと願う。
HBR.org原文:How to Ask for an Email Introduction, December 23, 2019.
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