メンバー同士の交流を重んじる
予期せず在宅勤務をすることになった人々は、孤立感や寂しさにさいなまれるかもしれない。これは生産性や献身度にマイナスの影響を及ぼす。
リーダーは、物理的に離れた場所で仕事をする仮想チームのマネジメントに慣れていない場合は特に、チームの円滑な運営に苦慮するかもしれない。すると、業務の中身だけに専念したくなるものだ。こうした問題に対処するには、メンバーと交流する時間を設けることがいつにも増して重要である。
●チーム全員に配慮する
リーダーはどうしても特定のチームメンバーに目をかけ、重圧下ではその人を頼りがちである。
人間は自分と似たデモグラフィック特性を持つ人を好む可能性が高く、この傾向は「同類性(ホモフィリー)」と呼ばれる。これとは逆の現象もある。認知バイアスの研究によると、ある種の人々が「視界や意識から抜け落ちて」しまうおそれがあるのだ。具体的には、チームリーダーが女性、マイノリティ、チーム内の異端者などに情報やリソースをあまり提供せず、彼らからの影響も受けないというような状況である。
こうした傾向を避けるために、主力メンバーだけでなくチーム全員の一覧を写真入りで作成し、仕事中は常に目の前に置いておこう。こうすると、任務や情報を誰に与えるべきかを、慎重に判断するようになるはずだ。
●定例ミーティングを設ける
チームがネット上で集まる時間を決めておこう。土壇場になってからでは、混乱に拍車をかけずにミーティングを設定するのは難しい。それよりは、あらかじめ日時を決めておいて不要なら中止するほうが容易である。ミーティングを定例化せずに、その時々で開くだけでは、多忙で参加できない人がいたり、一部の人に声をかけ忘れたりしかねない。
●バーチャル井戸端会議を開く
近況報告の時間を設けて、対面ミーティングの冒頭と同じように雑談をしよう。こうすると仲間意識が保たれる。また、必要な場合は定例ミーティングを待たずに会議の開催を呼びかけるよう、習慣づけるとよい。
●人間味のあるコミュニケーションを心がける
メールのやり取りだけでは議論が深まらないため、フェイスタイム、ビデオ会議、ウェブチャットなど、より多くの情報を伝達できるリアルタイムのメディアを活用しよう。電話でもかまわない。
これらのコミュニケーション形態はメールよりも親近感が湧きやすく、チームメンバーが互いの感情を汲み取るため、士気向上の助けになる。途中でいくつもの代替案を出し、議論をうまく掘り下げることができるため、意思決定の質も高まる。