(1)60秒ルール

 第1に、参加者に問題を「実感」させてから、問題解決に取り組ませること。プレゼン開始から60秒以内に、参加者が問題を肌身に感じられることをしよう。衝撃的な統計や、挑発的な数字、エピソード、事例を示して、ドラマチックに問題を提示するといい。

 たとえばラウルは、ライバルのグローバルな契約規模を紹介して、仲間に劣等感を抱かせることができる。あるいは、自分たちがグローバルな価格設定やサポートを提供しなかったために、顧客が不満を募らせて、離れていったエピソードを紹介するのもいいだろう。

 クジラとオキアミ(釣り餌によく使われる小さなエビ)の例を挙げる手もある。クジラは、何頭かで協力してオキアミの群れを囲み、順番にご馳走にありついたほうが、ずっと効率的に腹を満たせると、会議参加者の感情に訴えるのだ。

 どの方法を取るのであれ、参加者が問題(またはチャンス)に共感を示してから、その解決法を探ることだ。

(2)責任分担のルール

 どんな社会環境に足を踏み入れるときも、人は無意識のうちに自分の役割を定義しようとする。たとえば映画館に入ったら、自分の役割は観察者だと決めている。そこにいるのは、楽しませてもらうためだ。一方、ジムに行ったら、自分の役割は行動者だと定義する。そこにいるのは運動をするためだ。

 ビデオ会議で、エンゲージメント上の最大の脅威は、参加者に自分の役割は観察者だと定義させてしまうことだ。すでに招待状をもらった時点で、自分は観察者になると決め込んでいる人も多い。

 こうした無意識の定義に対抗するために、プレゼンの早い段階で、全員が責任を共有しているという意識を生み出そう。ただし、「よし、プレゼン形式ではなく対話型のミーティングにしたい。全員に参加してもらう必要がある」などと言うのはダメだ。そんな呼び掛けが効果を発揮することは、まずない。

 必要なのは、参加者が有意義な責任を分担する機会をつくることである。これは次のルールに従うと、一番うまくいく。