本業と副業のバランスを取る

 副業には多くの利点があるが、自分が圧倒されないように、いくつか落とし穴に気をつけたい。

 ●自分のエネルギーを管理する

 私たちの調査の参加者が副業をする時間は、平日の夜が最も多かった。本業を終えてすぐ副業を始めたい人や、平日は毎晩、あるいは週末はずっと副業をしたいという人も多いが、本業からも副業からも離れる時間をつくること。

 私たちの調査の参加者は平均で週4日、副業をしていた。自分のエネルギーを管理するための最初のステップは、副業を週数日に制限することだ。さらに、本業が終わった直後に副業を始めるのではなく、時間を空けることも考えたい。

 同じように、本業でも副業でも10分ほどの休憩を何回か挟むことは、エネルギーの管理をしやすくなる。休憩中はネットサーフィンやメールの確認をしたり、雑用をやったりしたくなるものだ。しかし、理想的な休憩は、仕事から頭を切り離すことだ。

 たとえば、本業や副業から得られるやりがいや喜びについて、じっくり考える。周囲に感謝の気持ちを示したり、同僚に協力したりする時間をつくろう。瞑想やリラックスする時間も重要だ。

 ●副業のポジティブなリソースを利用する

 本業と副業を両立させることは難しいかもしれないが、副業から生まれるポジティブなリソースを利用できる人もいる。私たちの調査に参加した人の多くは、副業をした翌日は、本業で熱意や刺激、興奮を経験している。

 興味深いことに、副業は、本業で経験したネガティブな感情を相殺することにも貢献している。本業で冷静さを失ったり、神経質になったり、悩んだりしている人が、副業をすることによって、そのポジティブな側面でネガティブな感情が相殺されるのだ。

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 以上の点から、私たちは副業を推奨する。

 副業は、安定という仕事の本来の役割を維持しつつ、独立性のある仕事の恩恵を享受できて、ギグ・ワークに完全に依存することの主な欠点を回避できる。そして、自分の仕事とその文脈を自分でつくるという自信を感じることもできる。

 ただし、人生とは得てして、過ぎたるは及ばざるがごとし。何事もバランスが肝心だ。


HBR.org原文:Make Your Side Hustle Work, March 18, 2020.