視点:質問する
神経科学によると、新型コロナによって私たちが感じる恐怖と不安は、将来を展望したり、クリエイティブな問題解決策を見出したりする能力を縮小する働きがある。ただし、この作用は、リーダーの問いかけによって食い止めることができる。
リーダーはまず、チームメンバーに現実を直視させることができる。物事をありのままに受け入れることは、レジリエンスを高めるカギとなる。
ベトナム戦争中に捕虜として囚われたジェームズ・ストックデール海軍中将は、厳しい捕虜生活を生き延びることができなかったのは、楽観主義者(早期に解放されると思っていた者)だったと語っている。「彼らは絶望してしまったために、命を落としたのだのだと思う」
部下たちに対して、リモートワークが予想以上に長期化したとき、どんなことを計画しているかを聞こう。そんなこと考えたくないと、彼らは思うかもしれない。だが、建設的な計画を立てるようあなたが手助けをすれば、彼らは危機を切り抜けられるだろう。
仲間を頼りにしたり、協力したりすることを、部下に思い出させるのも有効である。「あなたのチームや組織や人間関係で、自分のことを助けてくれるのは誰だい?」と聞いてみるとよい。
自分が一人ではないこと、困難な状況でもサポート・ネットワークを構築できることに気づくと、パワフルな効果がもたらされる(これは手を貸す同僚たちにも恩恵をもたらす。心理学者によると、人を助けると自分のレジリエンスを高めることができるからだ)。