(1)セルフケアから始めよう
自分自身に不足しているものを、人に分け与えることはできない。出発点として重要なのは、私たち自身のメンタルヘルスの「体温測定」だ。
自分の調子はどうだろう? 不安と戦うために何が役立つだろうか? 飲みすぎ、食べすぎ、眠すぎ、泣きすぎていないだろうか? 人とつながっているためには、何をする必要があるだろうか?
計画を立ててフォローすること。できる限り、いつも通りの日課を守ることから始めよう。朝早めにシャワーを浴びる。歯を磨く。自分に似合う服を着る。混沌の時期を乗り切るには、生活をルーチンで固めることが一番だ。
定期的に運動する。これは精神衛生上のメリットがあると裏付けられている。まだの人は、定期的な瞑想を取り入れてみよう。いまほど始めるのに最適なタイミングはない。
ニュースを読んだり見たりする時間を決めておくと、消費量を一定に保てる。それによって不快な感情が生じたり、他のことが手につかなくなったりするようなら、しばらく遠ざけてみるか、地域の現状を把握できる程度の消費に留めておく。感情の浮き沈みに快感を覚える人は別として、株価を毎日チェックしないこと。
次に、神経を集中できるものを見つけよう。それは仕事でも、クロスワードパズルやジグソーパズル、ゲーム、読書、執筆でもよい。日記やブログを始める。セルフ・リフレクション(内観)を行うと、いま起きていることに意味を見出せる。
テクノロジーの力を借りて、家族や友人とのつながりを保つ。可能であれば、趣味を追求しよう。筆者らの同僚であるジュリー・キャリアは、毎日、近所を自転車で走り回っている。そして、できるだけ多くの人に(安全な距離から)手を振って挨拶している。それが外の空気を吸い、違う景色が見られるだけでなく、人と接する機会にもなっている。
(2)必要なときは助けを求めよう
介護者、親、コーチ、セラピスト、そしてあなたにも助けは必要だ。いまは誰もが必要としている。ためらわずに、助けを求めよう。
パートナー、親、子ども、友人、その他の近しい人から必要なサポートを得られる場合が多いだろう。必要ならば専門的なリソースも利用できるが、外部から十分な助けを得られる人は、よそでは十分な助けを得られない人のために、そうしたリソースを取っておこう。
あなたにもサポートが必要になる。サポートを求めなかったら、その満たされなかった欲求は、好ましくない方法で表に現れることになる。
経験から言えば、あなたの「怒りのメーター」が急上昇するか、恨みの感情から、ふとした瞬間に不親切になったり狭量になったりする。その矛先は多くの場合、あなたが最も気にかける相手だ。
言い換えると、助けを必要とする人が頼りにできる自分になろう。自身の感情の状態を覚えておくことは大切だが、セルフケアは、けっして自己中心的になれということではないので注意しよう。自分を元気にする最良の方法は、人を励まし、サポートし、愛することだ。
この数週間、私たちは数え切れないほどの人が、他人からの助けに応じるのを見てきた。近所の高齢者のためにコストコへ買い出しに行った人、キャッシュフローが悪化した小規模事業者に配慮した取引条件を示した中規模事業者(その結果、スタッフを維持できた)、地域の医療従事者に個人用防護服を供給するための地元慈善団体への寄付など、枚挙にいとまがない。