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リーダーは先行き不透明な状況の中でも、従業員を前進させるという重要な役割を担っている。いまほど、彼らとのコミュニケーションが必要なときはない。だが、多くのリーダーが、"what"と"how"を伝えても"why"(なぜやるべきか)をおろそかにする傾向があり、それでは人を動かすことはできない。


 危機が続くいま、明快なコミュニケーションは、物事が正常に見えるときよりも重要で難しい。

 従業員や顧客は情報に飢えているため、つい慎重なプランニングを省いて、急いでプレゼンテーションをまとめ、伝えようとしがちだ。しかし、聴衆が聞きたいと思っている"what"、"how"、そして"why"に答えるプレゼンテーションでなければ、聴衆は納得するどころか混乱してしまう。

 私の会社では、著名な企業や影響力のある経営幹部のために、毎年数千件のプレゼンテーションに手を加えている。大きな利害が絡むコミュニケーションの場合、ほとんどのクライアントは、"what"(何を行おうとしているのか)と"how"(具体的方法)を用意して依頼してくるが、(目的や意義)を答えているクライアントはほとんどいない。