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新型コロナウイルス感染症による失職者の数はどんどん増えている。仕事を奪われた人たちの生活をどう支えるかはもちろん重要だが、解雇されなかった人たちのケアも大切である。自分だけが変わらぬ生活を送れることに罪悪感を覚えて、自分自身を責めてしまうのだ。本稿では、残された従業員を支援するために、マネジャーがやるべき4つのことを紹介する。


 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生して数週間で、失業者数は3000万人を超えた。当然ながら、仕事の見通しや長期的な安定性が突如、先行き不透明になった失業者に焦点が当てられている。一方、仕事を奪われなかった従業員のことは、経済の中で見過ごされがちだ。

 雇用が継続することを幸運に思う人もいるが、複雑な気持ちになる人もいる。仕事があることに安心すると同時に、解雇された元同僚の苦しみに対する罪悪感にさいなまれている。

 こうした「サバイバーズギルト」(生存者の罪悪感)は通常、他人の死を目撃するトラウマ的な出来事や、事故に直面したあとに経験する感情として見られるが、企業によるレイオフ(一時解雇)後にも生じる。

「なぜ私は残って、彼らは残らなかったのか」あるいは「私はまだ雇用されているのに、厳しい財政状況にあると知りながら解雇された友人たちに、どう向き合えばいいのか」といった疑問を、従業員たちが抱き続けることは珍しくない。

 企業が信頼できる同僚や友人のことを認めず、彼らに報いることもなく排除したという認識が、サバイバーズギルトを悪化させることもある。

 調査によると、解雇されなかった従業員の4分の3近く(74%)がレイオフ後に生産性が低下したと答え、69%が自社の製品やサービスの質が低下したと回答している。そう感じる理由について回答者らは、罪悪感、不安、怒りを挙げた。

 幸いなことに、マネジャーがそばにいて、親しみやすく、寛容であると感じている従業員は、生産性の低下を指摘する割合が70%以上低く、会社の製品の品質低下を指摘する割合が65%以上低い。これらの数字は、従業員のサバイバーズギルトに対処するうえで、リーダーが大きな違いを生み出すことができることを示している。

 では、その方法を教えよう。