●破局的思考に対処する

 ソフィー・リーゲルとの共著Overcoming Overthinking(未訳)で私は、破局的思考(catastrophic thinking)の特徴である2つの考え方に着目した。起こりそうもないことを過大評価することと、破局的な結果を過大評価することだ。

 定期的なフィードバックを得られないと、私たちは自分の自信と安全を損なうストーリーをつくり上げがちだ。それは最良のときにも起きることで、現在は最良のときではない。

「上司からあまり意見をもらっていない…一時帰休にされるのか、それとも解雇だろうか」などと考え始めたら、もっと合理的な考え方をしなければならない(たとえ一時帰休や解雇の可能性があっても)。

 最初のステップは、自分の破局的思考はどんなものか、それによってどのような影響が生じるのかを捉えることだ。あなたの思考がそうした暗闇をさまよい始めたら、自分にこう言い聞かせよう(声に出して言ってもいい)。

「私は破局的な考えになっていて、それはまったく役に立たない」あるいは「私はひどい話を創作している。作り話にすぎない」。または「こうした考えは私を不安にさせ、自分はそれらを変えることができる」と言ってもいい。

 2つ目のステップは、最悪のシナリオが発生したとしても、それに対処するのに必要なリソースを自分が持っていると認識することだ。必要なときに使える自分の内的なリソース(レジリエンス、決断力、ユーモアのセンスなど)と、外的なリソース(家族、友人、ネットワーク)をすべてリストアップしよう。

 3つ目のステップは、破局的思考の中で本当に注意を払うべき真実の核心を見つけることだ。解雇されるのではないかと常に心配している人は、職場で実際に起きていることの何が不安を高めているのか(たとえばフィードバックが少ないなど)を自問する。

 セキュリティ専門家のギャヴィン・ディー・ベッカーは『暴力を知らせる直感の力』の中で、私たちは危険を察知する直感を持っているが、常に恐れることが、実際に危険から守るわけではないと書いている。

 では、どうすれば身を守れるのかというと、心配事に対処するための具体的で実際的な計画を立てるか、その心配事を解き放つのだ。