黒人をサポートするインクルーシブな慣行を実践するためには、マネジャーや同僚は何をすればいいのか。在宅勤務がしばらくの間、「普通」になる可能性があることを考えると、これは特に重要だ。

 そこで筆者らは、3つの重要な提案をしたい。

(1)境界線を歓迎しリスペクトする

 現在のような異例のときは、インクルーシブ・リーダーシップが必要不可欠だ。これは、人が入ってくるのを歓迎するという意味であることが多いが、在宅勤務に慣れる過程では、境界線をリスペクトすることも意味する。

 たとえば、黒人スタッフは、自分のウェルビーイングを犠牲にしてでも、すべてのバーチャル交流に参加しなければいけないと感じるかもしれない。そこで、通常はインクルーシブな行動ではないと思われるかもしれないが、現在のような不透明な時期に黒人スタッフをマネジメントするには、彼らのニーズに日々気を配る必要がある。

 マネジャーはミーティングの予定を事前に示して、スタッフが「仕事」の集まりに向けて準備できるようにしたり、電話やメールで互いの貢献を共有することを奨励したり、ミーティングを迅速に開始・終了してスタッフの時間を尊重したりできるだろう。

 また、希望者にはカメラをオフにする選択肢を与えることも、スタッフの個人的な境界線を尊重する意思表示となるとともに、マイノリティの従業員が柔軟な働き方から恩恵を得られるようにアジリティーを高めることができるだろう。

 ビデオ会議で、「チーム全員」の背景設定を統一するのも一つの手だ。これは全員を同じ土俵に乗せる助けになる。

 組織やチームの背景を使うのが1~2人だけだと、かえって何か隠し事があるのではないかと、他のスタッフが勘ぐることになりかねない。それは黒人に対するネガティブなステレオタイプを強化し、監視するべきだという欲求を高めることにもなりかねない。