(2)無意識のバイアスを監視する
多くの企業は、人種差別的な「ズームボンビング(割り込み)」や、あからさまな人種差別を防止する安全措置を講じてきた。だが、黒人の家庭生活に対する、さりげない(しかし昔から存在する)ステレオタイプの陰湿な影響を縮小することも重要だ。
マネジャーと同僚は、黒人スタッフの外見やワークスペースを見たとき、社会階級や文化に関するサインを感じ取る無意識のバイアスを監視すべきだ。たとえば、黒人は服装にかかわらず、社会的地位が低いというバイアスを抱かれているため、在宅勤務中にラフな格好をしていると、プロフェッショナルでないと見なされてしまうかもしれない。
また、黒人の子どもが、現在のような危機ではどんな人種の子どももするような振る舞いをしているのを見たら、「黒人はダメな親が多い」というバイアスを強化し、それが仕事への取り組み方や性格へのマイナス評価にもつながりかねない。
さらに、黒人女性は「シングルマザー」で仕事もできないというステレオタイプを抱く雇用主は多いし、黒人男性は子どもをきちんと養わないことが多いというステレオタイプを抱かれることも少なくない(「一家の大黒柱」の男性は、子どもがいると賃金にプラスになることが多いのとは対照的だ)。在宅勤務の環境では、こうしたステレオタイプが助長される可能性がある。
このような決めつけが起こらないように、人種やバイアスについて話ができる場所が必要だ。それはスタッフの「思い込みを覆す」知識を与えることになる。それは、ステレオタイプを補強する表現を禁止して、黒人スタッフについてネガティブなバイアスが形成されるのを防止することにつながるだろう。