それではなぜ、リーダーはこうした環境をつくらないのか。その理由は、否定だ。職場で女性が男性とは異なる経験をしていることは、ほとんどの人が知っているが、リーダーの大多数はその事実を否定していることが、筆者の研究でわかった。

 2つの組織のシニア・エグゼクティブ計72人の男女に話を聞いたところ、彼らは一貫して、自分の職場は実力主義で、全従業員が対等に扱われていると考えていた。また、72人のほぼ全員が、男性にも女性にも同一の機会と同一の職場経験、そして同一のキャリアパスがあると答えた。したがって、女性が成功しないのは本人の選択または能力のせいであり、歓迎されない敵対的な職場環境のせいではないと考えていた。

 ほとんどの職場は、男性が男性のためにつくったものだ。それは女性にとって、乗り越えるのが難しい無数のチャレンジを生み出してきた。

 その状況は、リーダーが、リーダーシップ・チームに女性を増やすと公言しつつ、相変わらず効果のない方策をとり続けることで一段と悪化する。リーダーたちは、男女不平等の問題が存在することには気づいているかもしれないが、それが実際にどのように起きているかは、ほとんどわかっていない。

 それなのに、リーダーは組織における行動規範を定める。誰が支持を受け、受け入れられ、サポートされ、ミスを見逃してもらえて、見返りを得られるかを決める。さらに、チームに何人の女性を加え、どのように扱われるか(これがその組織で活躍できるかどうかを左右する)を決める。

 リーダーが、女性を差別したり、しいたげたり、排除したりする行動を見逃したり、支持したりしていたら、どんな「ポリシー」や「研修」もそれを補うことはできない。

 インクルージョンは日々、無数の瞬間に起きたり起きなかったりしている。リーダーは、女性にとっての現実を否定するのをやめて、チーム内で不平等が起こるのを自分が許していることに気づく必要がある。

 スタートアップであろうと、多国籍企業であろうと、公共機関であろうと、職場で男女平等を求める声は、リーダーたちが旗振り役になるチャンスだ。その方法を以下に紹介しよう。