●問題が起きたとき管理する

 不平等は従業員の慣行だ。したがって、安全やコストや生産性を管理するのと同じように、リーダーが不平等を生み出す行動を継続的に管理する必要がある。

 リーダーと従業員が、平等の原則を行動や規範やルーチンに変えられなければ、どれほそ多くのポリシーや、ダイバーシティ&インクルージョン・イニシアティブを実行しても意味がない。

 具体的には、リーダーが不適切な言動や排他的な言動(それが非公式な交流で起きたときは、なおさらだ)を非難しなければならない。また、従業員に1対1でフィードバックを与え、その行動が(意図的か否かを問わず)いかに他の従業員を疎外しているか、そしてそれがチームにどんな影響を与えるかを説明しよう。

 実に多くのリーダーがやりがちだが、いずれ忘れられることを期待して、事件を見て見ぬふりをしたり、その影響を過少に説明したりしてはいけない。最も真剣に取り組んでいるリーダーは、自分のチームに何が起きていて、その結果、何が変わるか伝えることにより、こうした経験を集団的な学習の機会にできる。

 リーダーがこれを定期的にやると、従業員の問題意識を高め、自分の行動を変えて問題を解決するよう促すことができる。

 リーダーにとって、差別をマネジメントするのは大変かもしれないが、自分のアイデンティティが低く評価される環境で働く従業員のほうが、ずっと辛い。自分が経験したことがないかもしれない不平等を退治する立場にあることは、究極の特権である。

 現在は、ダイバーシティ目標からターゲットを絞った採用努力、無意識のバイアス研修、そして女性のための能力開発(これにはメンタリング、スポンサーシップ、コーチングがしばしば含まれる)など、これまでにないほど多くのインクルージョン・イニシアティブが行われている。

 これだけ多くの活動が存在すると、進捗があると思い込みがちになる。だが、そのどれ一つとして、女性が管理職に就くことを保証するものではないし、就いたとしても、男性と同じように評価されるとは限らない。

 そこで、リーダーの介入が重要になる。従業員に求められる行動基準を定めて、日々の業務の一環として平等を実践するためのスキルとフィードバックを与え、それが根本的な仕事方法になるようにするのは、組織で最もパワフルな人たちの仕事だ。そしてそれが、組織が真に平等になる唯一の方法である。


HBR.org原文:Leaders, Stop Denying the Gender Inequity in Your Organization, June 19, 2020.


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