●否定したい気持ちを克服する

 まず、リーダーは否定する気持ちを捨てて、自分のチームや部門や組織でどのように不平等が生じているか気づく必要がある。

 リーダー自身が気づいているなら、周囲が気づくために助けることができる。そのためには、従業員が自分の疎外された経験や差別された経験を話せる場所をつくらなければならない。

 ある大手多国籍機関のリーダーは週1回、賃金格差や「母親ペナルティ」や自覚なき差別についてオープンに話をできる1時間ほどのミーティングを開催した。女性が直面する障害とその影響、そして、それを退治するために必要な対策について、チームの意識向上を図ったという。

 なかには、こうしたトピックを取り上げることに、居心地の悪さを感じるリーダーもいるかもしれない。しかし、それによって見えない不平等の経験が目に見えるようになるのだから、この不快感を受け入れることが重要だ。

 ●何が障害になっているかを知る

 女性が職場で直面する障害を理解しているリーダーは、どれくらいいるだろう。

 女性が男性と同レベルの成功を収めるためには、男性よりも高いパフォーマンスを示さなければならないのは事実だ。この「パフォーマンスの重荷」が、女性の賃金上昇と昇進機会を制限している。また、多くの女性はビジネスパーソン、妻、母という、しばしば相容れない役割をこなそうとする中で、「役割の対立」にも直面する。

 さらに、多くの女性は男性的なマネジメント手法だけが認められ、報いられる職場でリーダーシップを発揮しようとして、「アイデンティティの対立」も経験する。こうした困難は、女性が人種、民族、性的指向、身体的・精神的能力、宗教、年齢などの複数が交差するアイデンティティを持っているとき、一段と難しくなることをリーダーが知る重要がある。

 問題があることに気づくだけでは不十分だし、人数の割り当てや新しい研修を導入することも不十分なのは間違いない。それではリーダーは、実のところ何の努力もする必要がない。

 不平等の問題を解決するためには、このような困難が存在する理由と、リーダーがこうした障害を知らず知らずのうちにつくったり、維持してきたことを読み、調べ、理解するこで、リーダーが自分自身を教育する必要がある。