Suzanne Clements/Stocksy

株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換が叫ばれており、社会貢献のための投資、すなわちインパクト投資への関心が高まっている。だが現実には、社会にとって有意義な投資の多くは儲からず、投資家がインパクト投資に踏み出す理由は乏しい。筆者らは、資本主義の前提から見直し、ゲームのルールそのものを変える必要があると主張する。


 米国財界ロビー団体のビジネス・ラウンドテーブルは2019年、「株主資本主義」から「ステークホルダー資本主義」への転換を提唱した。それから今年の8月で1周年を迎える。これらのビジネスリーダーは私たちに、大きく変わった世界を想像してみるよう求めた。

 ところが、武漢のコウモリに寄生したウイルスは、独自の野心的な計画を持っていた。そのウイルスは目下のところ、世界をまったく違う方向へと様変わりさせている。これを機に政府が中央に引きずり出され、ビジネス界は(資本主義に対する姿勢がどうであれ)脇に押しやられている格好だ。