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自社の長期的な価値を生み出したいと考えていながら、ROA(総資産利益率)やTSR(株主総利回り)などの短期指標を追うことがやめられない。これは多くの企業が陥っているパラドックスだろう。経営者がこのパラドックスから抜け出せない理由の一つは、長期的価値を測る適切な指標が存在しないからだ。本稿では、筆者らが独自に提唱する「LIVA」という指標を紹介し、その効果を示す。


 多くの企業が陥っているパラドックスがある。ほとんどの企業経営者は、長い目で見た株主価値を最大化させたいと考えている。ところが、実際に自社の成績を数値評価し、それを改善しようとする時、経営者が目を向けるのは、さまざまな短期的指標だ。

 ROA(総資産利益率)、ROC(資本利益率)、TSR(株主総利回り)、EBIT(利払前税引前利益)、EBITDA(利払い前税引き前減価償却前利益)、CAR(自己資本比率)、EPS(1株当たり利益)……アルファベットの略語で表現される指標が途方に暮れるくらいたくさんある。