
John Scott/Getty Images
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企業の不正行為が発覚すると、なぜ誰も通報しなかったのか、私たちは疑問に思う。だが、周囲はそれに気づいていたのに通報しなかった理由が、不正を働いた本人に対する思いやりや同情心から来ているとしたら、どうだろう。特に従業員が固い絆で結ばれている職場で、こうした問題が生じやすいと筆者らは指摘する。いまや、シリコンバレーのスタートアップをはじめ、多くの企業が「家族的な職場づくり」を標榜している。だが、組織はそこから得られる利益だけでなく、マイナス面にも目を配り、不正行為の告発を妨げない対策を講じなければならない。
「家族のような職場です」――。企業のウェブサイトによく見られるフレーズであり、こうした組織文化を目指す企業は多い。
たとえば、シリコンバレーのスタートアップ200社以上を対象にしたある研究によれば、創業者たちは意識的に「家族的な雰囲気が強い」「心の絆で固く結ばれている」職場をつくっている。