●コンテクストを生成する

 前に議論したトピックや対立している議題に脱線するのを避けるために、会議の始まりに概要を述べる。例を挙げよう。

「前回は、製品Xのリリースに関する問題点について議論しました。論理的順序(ロジカルシークエンス)に欠け、計画は不十分でした。私たちのテストチームは、検証サイクルの計画が立てられず、開発者は既存のバグを修正するのではなく、新たな対象を追いかけ始めていました。その結果、重要な販売機会を1カ月も逃してしまいました。各チームがそれぞれのマイルストーンに関するプロセス、開始と終了の基準を熟考した後に、再び話し合うことで合意しました」

 前回の議論の中心テーマと最終的な意見の一致点をざっと振り返ることで、会議の最初に参加者全員に共通理解を持たせることができる。

 ●問題あるいは機会を提示する

 参加者は会議に出席することに同意はしていても、ほかのタスクで頭を悩ませていたり予定が詰まっていたりする状況では、会議で取り上げる議題やプロジェクトをあらためて優先してもらう必要があるかもしれない。その議題にいますぐ取り組まなければ生じる困難を明確に伝えることで、聴衆の注意を引きつけよう。たとえば、次のような言い方ができる。

「どの製品リリースにもスケジュールの問題が山積しており、遅延や失望、チーム同士の中傷が生まれています。各チームのメンバーが一堂に会することで、この問題に対処し、顧客の支持を集め、競合他社に対抗することができます。競合他社の最新のプレスリリースを踏まえれば、ただちにこれを始める必要があり、そうすることで製品Yをより早く市場に出すことができます」

 主張のプロセスのこのステップで、重要性と緊急性、そして出席者全員にとっての具体的な利益を示すことで、出席者はただちに注意を向ける。

 ●終了基準を決めてから開始する

 問題は手強いことが多く、一度の議論では解決しない。現在の会議を成功させるための終了基準を設定することから始めよう。どうなればこの会議が成功と言えるか、与えられた時間内に達成したいことは何かを定める。

 たとえば、「今日の目的は、全体的なロードマップを一緒に見直し、欠けているものや不正確なものを特定することです」と言う。具体的な成果を示すことで参加者全員の集中力を維持し、今後検討するために逸脱した点をリストにまとめることがきる。