●言動を導く
前段階のステップで設定された目標に対して、どう貢献すべきかを参加者に説明する。たとえば、アイデアを出す、議論する、決定する、定義する、宣言する、リソースを提供する。方向性がないと、参加者はブレーンストーミングを始め、1つの結論にまとめることが目標なのに、意見が割れてしまうかもしれない。
また、できるだけ多くのアイデアを出してほしい時に、1つのアイデアの詳細に囚われてしまうこともある。もっと悪ければ、どのような貢献が必要か明確に求められなったために、参加者がメールに気をとられることもあるだろう。たとえば、「ブレーンストーミングをして、他部署に選択肢を提案してほしいです」などと伝えよう。
また、この会議の「目的ではない」ことも明確にする。たとえば、「念のためにお伝えしておきますが、今日は決定を下すことではなく、できるだけ多くのアイデアを出し、不足している情報をできるだけ明らかにすることが目的です。次の会議では、ロードマップを完成させるための重要な決定をします」と述べる。
出席者が何をすべきかを正確に把握していれば、彼らはより多くの結果を出し、マルチタスクもする可能性も低くなる。
●意見を求める
ここまで、会議で主張するための4つのステップを踏んだ後でも、参加者はまだ議論したい項目があったり、気が散っていたりすることがある。目の前の議題に入る前に、参加者の意見を聞こう。
たとえば、「この会議で取り上げるべきことや、別の機会に議論するために保留すべきことはありますか」などと聞く。そうすれば、自分の懸念はこの場か今後の会議で議論されると安心し、誰もが最優先の議題に集中することができる。
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会議を上手に始めたいと思っていても、話が思い通りに進まないこともある。会議の終わりが近づいてきたら、あらためて主張するようにしよう。あなたの最初の主張に対する議論を確認し、何が達成されて何が達成されなかったのかを把握する。
アクションアイテムの責任者と期限を決めるのはもちろん、次のような点も確認する。終了基準の項目について、追加の議論は必要ないか。ブレーンストーミングから決定までのプロセスはどう進めるか。どのようにして人々を関与させ、彼らに情報を提供していくか。会議の最初と最後に主張することで、あなたが最初にしっかりと主張した目標を達成することができる。
異なるグループの人々と再び会議を開く前に、会議中に無意味な時間が生じないようにしよう。目的を失い、時間を浪費し、士気を低下させるのではなく、問題を修正し、効率を高める会議を行うために、事前の準備をしなければならない。
HBR.org原文:Cross-Team Meetings Don't Have to Be a Waste of Time, January 07, 2021.