他者を巻き込む

 このような質問を投げかけることは、協働を促すことにもつながる。質問の効果を最大化するには、限られた人しか参加しないリーダーシップ会議で質問をしても意味がない。むしろ組織全体、場合によっては組織の外に向かって質問を投げかけるのだ。

 あなたの組織に属する人々に質問するだけでなく、ブランド全体で顧客に問いかけ、顧客から学ぶ。組織の枠を超えてより多くの人々に接することで、より広範なソースから専門的な知識や多様な観点を持つ人々とつながることができ、企業がより迅速に学習する一助になるだろう。

 たとえば、ドミノ・ピザの例を見てみよう。10年ほど前、同社は消費者からドミノのピザは好きではないと聞かされた。たいていの組織は、こうした情報を隠蔽したり、問題を秘密裏に解決しようとしたりするだろう。

 だが、ドミノ・ピザは違った。受け取ったフィードバックを公表して、どうすれば自社のピザのクオリティを改善できるか助言を求めたのである。このオープンな問いかけによって、ピザをおいしくするための非常に有益な提案が多数寄せられたのだった。

 このアプローチは、オープンイノベーションの成功以上に、より根本的な改革をもたらした。弱さを見せることで、同社は顧客との信頼関係を構築できたのだと筆者は考えている。

 同社は問題があることを認識し、それを解決するためにみずから支援を求めた。同様に、問題に直面している組織の中でも、顧客や他のステークホルダーにすすんで助けを求める組織は、信頼を再構築できる可能性が高まるだろう。