ジョブホッピング

 よく目にする次のレッドフラッグは、短期間に複数の仕事を経験している候補者だ。これは面接官に、いくつかの懸念を抱かせかねない。この候補者は、単一の役割や組織に対してコミットメントを維持することが苦手なのではないか。パフォーマンスに慢性的な問題があるのだろうか。

 こうした懸念があると雇用主は、あなたに資質や適性があっても、チャンスを与えることに慎重になる。特に新しい職務に完全に対応するまでに半年以上かかるポジションでは、雇用主は、短期間で辞められたら「損失」になると思うかもしれない。

 これらの点を踏まえて、短期間に複数の仕事を経験している場合には、面接官の懸念を払拭するための重要な戦略がいくつかある。

・異なるリーダーシップスタイルで働いてきた経験が、学習とプロフェッショナルとしての成長を加速させたことを強調する。

・働いた時間の長さではなく、それぞれの役割で上げた成果を中心に話をする。

・業界の垣根を超えて仕事をした経験や、さまざまな組織のベストプラクティスに触れて知識や能力の幅が広がったことを強調する。

 ジョブホッピングの価値を明確に提案した例として、筆者が知る最高の候補者の一人が、ある営業担当エグゼクティブだ。ここではジャレド(仮名)と呼ぶ。

 ジャレドは、営業部門の責任者を2つの組織で約1年ずつ務めた後、筆者が人事担当エグゼクティブとして働いていた会社の面接を受けた。面接チームは彼のまだらな履歴書を見て、自分たちの会社で影響力を発揮できるまで長く勤めるだろうかと案じた。筆者が転職歴について質問すると、ジャレドは率直に認めたうえで、多彩な経験の利点について詳しく説明した。

「最近は、自分で思っていたより多く仕事が変わりましたが、おかげで複数の組織で短期間に成果を上げることができました。営業のフレームワーク、研修プログラム、インセンティブ報酬モデルを、2つの異なる業界の組織で導入し、それぞれ8%と11%の収益成長を、わずか数カ月で達成しました」

 ジャレドはさらに、自分が経験してきた多彩なリーダーシップスタイルや精通している業界についてていねいに説明し、自分が私たちの会社にもたらすことのできるスキルの幅広さをアピールした。最終的に私たちは他の候補者を選んだが、ジャレドの透明性や異なる環境で発揮してきたアジリティ(敏捷性)、熱意に感銘を受け、彼を別のポジションで採用した。