職歴の空白

 履歴書の一般的なレッドフラッグの一つは、職歴の中に理由のわからない長い空白期間があることだ。採用マネジャーはこうした空白を見て、過去に仕事を探すのに苦労したのだろう、実力不足などの欠点を示唆しているのではないかと考える。

 当然のことながら、面接官としては最悪の場合を想定するかもしれない。だが、実際には、職歴の空白には数多くの正当な理由がある。たとえば、自分自身や家族のケア(育児休業期間を含む)、教育やリスキリング、不況などの外的要因による長期の失業、コンサルティング契約や請負契約への移行など、その理由は多岐にわたる。

 この空白にアプローチする方法は2つある。

 まず、まだ仕事に復帰していない場合には、仕事に関連した活動に時間を費やし、後から一貫したストーリーを組み立てる。たとえば、仕事を休んでいる主な理由が家族のケアだとしても、短期のオンライン講座を修了する、地元の成人教育センターの講習に毎週参加するといったことはできるだろう。

 同様に、現時点ではフルタイムで働いていなくても、限定的な請負契約やコンサルティングの仕事をして、履歴書を充実させることもできる。

 筆者のエグゼクティブコーチングのクライアントであるモニカ(仮名)には、マーケティングの要職を辞めた後に無職の期間があった。彼女は燃え尽きたように感じ、次の行動を起こす前に充電する時間が必要だと考えていたからだ。ただし、求職活動を始めようと思った時に、いつでも自分のスキルを証明できるようにしておきたいとも考え、自分のネットワークを最新の状態にしておくことが重要だと理解していた。

 私たちは、彼女が仕事に関わりを持ち続けながら、必要な時間を確保する方法を考えた。最終的に彼女は有限責任会社(LLC)を設立し、友人や元同僚のために簡単なコンサルティング業務を始めた。そうして求職活動を開始する準備ができるまでの間、自分の分野で仕事の実績を積みながら、休息や家族とのつながりを取り戻す時間も持つことができた。

 もちろん、副業を持つのが難しい場合もあるだろう。そのような状況では、空白期間を有意義に過ごすことを心がけ、それを明確に説明できるようにしておく。正式なプログラムに参加したり、学位を取得したりしなくても、たとえばボランティア活動をした、講義を受けた、あるいは個人的なプロジェクトに取り組んだかもしれない。どのようなことに時間を費やし、実際にそれが採用候補者としてのあなたの強みにどう反映されているかを説明する方法を考える。

 さらに、しばらく無職だった理由の一部が、仕事を慎重に選んでいたことであれば、その点を強調する。選択的であるという姿勢は、仕事探しのプロセスに主体性を持って臨み、機会があればすぐに飛びつくのではなく、自分にふさわしい機会を待っていること、とも言える。職歴の空白が、少なくともある程度は自分の選択だったことを明確に伝えれば、面接官から「自暴自棄になっていて、雇用すべき人物ではない」と見なされる可能性は少なくなるだろう。

 この点をアピールする方法の一つは、会社や職務の具体的な特徴のうち、特に自分に適している部分を挙げることだ。

 ジョブディスクリプション(職務記述書)に記載されているスキルや経験に、あなたのユニークな経歴に合致するものがあるかもしれない。業界の変化、ペースの速い環境、顧客と直接仕事をするチャンスといったように、あなたが特に高い関心を持っている機会を、その仕事が提供する形に落とし込むことで、強調できるかもしれない。たとえば次のように説明する。

「前回、フルタイムの仕事をしていた後の期間は、いくつかの方法で自分の戦略的洞察力を集中的に高める機会になりました。事業戦略に関する修士課程を修了したほか、アーリーステージの企業2社で戦略立案プロセスに関するコンサルティングを行いました。
 こうした経験は、今回の財務の仕事において、特に価値があると考えています。戦略目標に対する進捗状況を可視化するための財務指標やダッシュボードの構築などを含めて、会社の戦略の計画と実行において、私は重要な役割を果たせると思っています」