(1)ポジティブな側面に注目する
ハイブリッド会議のネガティブな側面ばかりを意識するのではなく、一人ひとりがもたらすことのできる価値に目を向ける。会場にいる参加者とリモート参加者の両者にとって、自分のプレゼンテーションを聞くことにどのような利益があるかを自問する。また、聴衆がハイブリッドであることによって、その体験全体をどうすれば豊かにできるだろうか。
ポジティブなマインドセットを持てば、参加者一人ひとりをプレゼンテーションに欠かせない存在にできる。さらに、そのマインドセットは伝染する。体験全体の基調を定めるのはプレゼンターだ。プレゼンター自身が、ハイブリッド体験の価値を信じ、その期待感を表明することで、聴衆の体験にポジティブな影響を与える。
(2)カメラをオンにするよう求める
ハイブリッド会議では、リモート参加者がカメラをオンにし、その存在をしっかり見せることがこれまで以上に重要になる。また、プレゼンターが会場にいる参加者だけでなく、聴衆全体と目線を合わせられることも重要だ。
条件をさらに平等にするには、会場の参加者にノートPCを持参してもらい、カメラをオンにすること、話す時以外はミュートにすることを検討する。また、会場の前面にスクリーンを設置して、リモート参加者が誰の目にも留まるようにすることが有効だ。
(3)直接、視線を交わす
プレゼンテーションの最初に、意識してカメラを見る。これにより、ズームの参加者が重要であるというメッセージがグループ全体に送られる。誰か一人と向き合っているつもりで、カメラに焦点を合わせる。それから、会場にいる一人ひとりに目を向け、またカメラに焦点を戻す。プレゼンテーション全体を通じて、この切り替えを続ける。
(4)移動しながら全員を引き込む
プレゼンテーションが始まったら、カメラのほうへ移動し、リモート参加者が自分も会場で起きていることに関わっていると感じられるようにする。話し続けながら、意識的に会場の参加者のほうへ移動し、その後再びカメラのほうへ戻る。
ただし、カメラのフレームは常に念頭に置いておく。画面から離れすぎるのは避けたい。このように行ったり来たりする動きは、より大きなインクルージョンを伝え、会場の内外にいる参加者に互いのつながりをより強く感じさせる効果がある。
スポットライトを当てることも検討する。会場の誰かが話している時は、カメラ(ノートPC)を話し手に近づける(本人が持参していない場合)。これは、会場の参加者に、リモート参加者も会議に関与していることを思い出させる効果がある。