●よく考える
上司のお気に入りになると、同僚との関係が悪くなるかもしれない。しかし、上司が意図的な悪意を持って、あなたをそうした立場に置いているわけではないことを忘れないようにすべきだと、ディロンは言う。「それは善意から来ている」
あなたは上司の信頼と称賛を得ているが、上司はあなたにとって、この状況がどれほど困難かを認識していない可能性がある。また、知らないうちに同僚の反感を買うことで「職場環境を壊している」かもしれない。
上司の中ではあなたは貴重で、周りから尊敬されている従業員だ。しかし、同僚にとって、あなたは上司のお気に入りなのだ。
上司のお気に入りになることは、必ずしもキャリアにとって賢明な行動ではない。「あなたの成功は、その人に依存しているということだ。上司が退職あるいは解雇されたら、自分の基盤を失うことになる」とディロンは言う。
そもそも、なぜ上司があなたを選んだのかを考えてみてほしい。「ひいきにされている人は、上司の自尊心をくすぐる方法を知っている」とデロング。「それは心理的な馴れ合いだ。上司の気分をよくするのだ」。しかし、いつかひいきにされなくなる時が来る可能性がある。
●周囲の見方に注意する
上司と親しく、打ち解けた関係にある場合、「他の人がどれだけ見ていて、観察しているかに気づかないことがよくある」とディロンは指摘する。あなたは上司のオフィスに予告なく立ち寄ることがしばしばあるだろうか。昼食を一緒にとることが頻繁にあるか。廊下で何気なく、おもちゃのフットボールを投げ合ったりしていないだろうか。
「これらは些細な行動に思えるかもしれないが、外から見る人にとっては非常に高慢だ」とディロンは言う。「それらの行動には意味があり、人々はそれを読み取る」。こうした状況を周囲がどう見ているかを敏感に察知するには、「自分と上司の間にガードレール」を設けることが必要だと、彼女は指南する。
デロングも、構造的距離を取るようにすべきだと言う。公平を期すために、上司に時間の使い方を記録することを提案してもいい。「たとえば、『面白そうなことを考えました。誰と過ごすことが多いのか、時間の使い方を記録してみてください。そして、それが周囲からどう見えるかを考えてみるんです』などと言う」
デロングによれば、目指すのは「上司が自分のパターンにもっと注意を払うようにすること」だ。結局のところ、「リーダーの行動はすべてシグナルであり、そのシグナルは潔白な必要がある」と彼は言う。
●好意を広めるよう上司に促す
ひいきにされている従業員として、あなたは上司が「チームの他の人たちの価値を理解」できるよう努力する必要があるとディロンは指摘する。「自分の立場を利用して、他の人にスポットライトを当て、しかるべき時には称賛する」
それによって上司に好意を広めるよう促すことができるだけでなく、チームメンバーに、あなたが自分の有利な立場を賢く使っていると知ってもらうことができる。
ディロンは、この方法を公に行うだけでなく、個人的にも行うことを勧める。たとえば、重要なプレゼンの準備のために同僚が貢献したことを、上司に具体的にメールで知らせ、もちろんその同僚をCCに含める。また、次のチームミーティングで特定の従業員を称え、その人の尽力に感謝するよう上司に働きかけることもできる。
上司が「正当な評価と称賛を惜しまない」ように仕向けることを目指そう。最も重要なのは、上司の関心や好意を囲い込まないことだ。また、上司との関係を利用してはいけない。