(1)アテンション・マネジメントに力を入れる
まず、あなたの組織でオープンドアポリシーが表明または推進されているかどうかを確認する。もし表明もしくは推進されている場合は、明確な定義とともにチームに周知する。
当然のことながら、チームがいつでもリーダーに相談できることは重要だ。だからといって、その代償として朝から晩まで四六時中、予期せぬじゃまが入って仕事が中断されても構わない、というわけではない。
オープンドアポリシーは「理由を問わず、いつでも、誰かのじゃまをしてよい」という意味で考えられたわけではけっしてない。組織の誰もが連絡可能ではあるが、必ずしも常に対応可能とは限らないという考え方を徹底するほうが、その意図に沿っている。
チームメンバーのそれぞれが、声をかけられても構わない時とそうでない時を合図することが必要だ。そして組織文化として、仕事を邪魔されない時間を確保できるように支援することが欠かせない。
バーチャル環境では、チームに注意力を管理するアテンション・マネジメントを実践するよう奨励する。つまり、定期的にメールクライアントを閉じ、携帯電話をサイレントモードにして視界に入らない場所に片付け、チャットツールは「おやすみモード」で一時的にミュートさせる。
あなたが模範を見せよう。リーダーが何を言っても、みずから実践しなければ、チームメンバーも従わないからだ。
オフィスでは、自分がじゃまされたくない時間を何らかのシグナルで示し、チームにも同じことを許可する。たとえば、「じゃまをしないで」と書かれたサインボード、パーティションに立てるフラグ、ヘッドフォンなどが利用できる。そのシグナルと意味を全員が共有したうえで、節度を持って掲げ、集中できる時間を確保し、チームに対応できる状態になったら、そのシグナルを降ろす。
読者の中には、こうした方法を自分の組織に取り入れるのは難しいという人もいるだろう。その場合には、コミュニケーションの流れを見直す必要がある。
非同期コミュニケーションを支援する組織文化を構築することに注力しよう。つまり、常に「ライブ」で会話をするのではなく、それぞれが自分のワークフローに適したタイミングで会話に入れるようにする。筆者が気に入って使っているチームコラボレーションツールのツイストは、この方法に関して優れたガイダンスを提供している。
(2)スタッフの自信を高める
自分の部下には、自分の役割と責任範囲、そして自分で決定できる、または決定すべき事項、権限の範囲をしっかりと理解させ、境界線を明確にする。そのうえで、日々の問題に関しては自分自身で解決策を見つけるように促す。質問に答える代わりに、「あなたの判断を信じます」というフレーズを使うようにする。
直属の部下が自分の手で問題を解決することに成功すればするほど、彼らの自信は高まる。これは、チームメンバーを育成すると同時に、あなたが仕事に集中できる時間をつくるチャンスを増やす格好の手段だ。
あなたが何でも管理したがるタイプのマネジャーで、あらゆる決定に関与しているとすれば、チームの自立を妨げている可能性がある。この種のマイクロマネジメントは、自分の首を絞め、チームの成長も阻害する。彼らの仕事を全部自分が代わりにやることはできないし、そうすべきではない。チームメンバーが自分自身で判断し、決定できるようにしよう。
自分がマイクロマネジメントを行っているかわからない場合には、信頼できる同僚や元従業員に正直なフィードバックを求めるとよい。