データの力で
需要を見える化する

編集部(以下色文字):データや人工知能(AI)を活用するマーケティングが急速な進化を遂げています。北川さんは楽天グループ(以下楽天)のチーフ・データ・オフィサーとして、その進化を最前線で体験されていると思いますが、ビジネスの現場ではいま何が起きているのでしょうか。

北川(以下略):人々が商品やサービスをどのように消費しているかを考えた時、そこには「お金」「時間」「マインド」という3つのリソースが投入されていることがわかります。ただし、それぞれを均等に投じているわけではなく、お金のシェア、時間のシェア、マインドシェアの間にはギャップが存在します。

 企業の視点で見ると、お金のシェアと時間のシェア、あるいはお金のシェアとマインドシェアのギャップを発見し、それを埋めることで、ビジネスチャンスが生まれると私は考えています。特に時間を使っているけれども、お金が使われていないところに、最もわかりやすくチャンスがある。時間をたくさん使っているということは、その活動を大切に思っている証拠です。しかし、そこにお金をそれほど使っていないことがあります。