ヒーローを継続的に称えるための5つのステップ
企業をポストパンデミックの現実に移行させる際、成功しているCEOはどのシステムを元に戻し、どのような変化を組織に加えるかを明確にする。
CEOが直面する最大の障害は、上級幹部の凝り固まった態度だ。ヒーローを称える文化を支えるためには、経営陣はマネジメントシステムの典型的な役割を捨て去る必要がある。
一流のCEOの間では、リーダーの行動を変え、対立した状況でヒーローを失うことなく、ビジネスを再構築するための共通したステップが生まれている。それが以下だ。
・会社のパーパスを共創する。今回の危機ではパーパスの重要性が再認識されたが、パーパスは人と切り離すことはできない。会社のミッションの「What」(何)と「Why」(なぜ)についてはヒーローたちに従ってもらい、「How」(どうやって)については彼らに裁量権を与える。
・社内のF1チームから得た教訓を明確にし、共有する。勝利を収めたドライバーやクルーのエネルギーは、組織をマトリックスから解放するようマネジャーを促す。マネジャーは、スピードが競争力の重要な源泉であることを認識するようになる。
・スタープレイヤーを集めたチームを構築して難題に挑戦させ、組織全体の新しい働き方のロールモデルにする。
・上級幹部に対立を受け入れるよう促す。スピードとスケール、イノベーションとルーチン、ビジネスの運営と変革の間に存在する緊張のバランスを取れるかどうかは、幹部にかかっている。適切なバランスを取るためには、みずからのエゴを捨て、ヒーローの声に耳を傾ける必要がある。
・実践していることを継続する。先進的なCEOたちは、今後もタウンホールを利用してヒーローのストーリーを共有し、称賛することで、次世代のヒーローたちに刺激を与えようとしている。ヒーローが会社の未来をつくることを認識しているので、メンターシップとアプレンティスシップ(実習訓練)に多大な投資をするだろう。
"Your Employees Stepped Up in a Crisis. What Happens When It's Over?" HBR.org, July 06, 2021.