●デジタル体験と物理的体験を編み込む

 グローバルチームのリーダーは、出社勤務者と在宅勤務者のギャップを埋めることの難しさを知っている。

 しかし、ハイブリッドワークを採用すれば、どれだけチームメンバーの出社日を考慮してスケジュールを調整しても、常に誰かが在宅勤務であることが避けられない。リモートの同僚は、対等に参加できないことにいら立ちを覚え、エンゲージメントが低下するおそれがある。

 これは、特にクリエイティブでイノベーティブな仕事にいえることだ。たとえば、ブレインストーミングでは、ホワイトボードのようにアナログな物理的プロダクトを使うことが多いが、カメラの向こう側では、その臨場感を十分経験することが難しい。

 この問題は、3つの重要なコンセプトに留意しながら、物理的空間とテクノロジーを統合することで解決できる。すなわち、公平性、エンゲージメント、利便性だ。

 たとえば、これまではたいていの会議室に長テーブルがあり、その一方の先にスクリーンが設置されている。対面参加者はテーブルにつき、リモート参加者はスクリーンに映し出された小さな枠内に収まる。会議資料の横に映し出されることも多い。

 公平性を高める方法の一つとして考えられるのは、リモート参加者の数だけモニターを用意し、それぞれに1人ずつ映し出されるようにすることだ。

 モニターを車輪付きの台に乗せておけば、会議室内で簡単に動かせる。ブレイクアウトセッションの際には、該当するリモート参加者のモニターを近くに移動させたりテーブルに置いたりして、セッションの場に「連れてくる」ことができる。このように、リモート参加者や会議資料を個々のモニターに割り当てることができるソフトウェアは増えている。

 完全なエンゲージメントを確保するには、それぞれの参加者や会議資料がよく見えるようにしなくてはならない。

 リモート参加者が物理的空間に没頭できるデザインを実現するには、映画監督のように照明やカメラの位置、音声、コンテンツを考える必要がある。簡単に角度や位置を調整できるテーブルを使ったり、照明やスピーカー、マイクの数を増やしたり、可動型のホワイトボードやモニターを用意するといった解決方法もあるだろう。

 さらに、調査によれば、オフィスのデバイスだけでなく、自分のデバイスで会議に参加する人が増えている。十分な電力供給、ホワイトボード、さまざまなソフトウェアを駆使すれば、もっと簡単に、よりシームレスなハイブリッドコラボレーションが可能になるだろう。