
オフィス再開が決まると、在宅勤務から開放されることに喜びを感じる人もいるかもしれない。だが、1年間のブランクがあることを考えれば、復帰後の生活がどうなるのか、不安を感じる人も少なくないはずだ。時間管理のコーチとして、復帰初日に対するクライアントの不安解消をサポートする筆者は、スムーズな移行には事前準備が欠かせないと指摘する。本稿では、あらためて「オフィスに通勤して仕事をする日」はどのようなものか、朝起きてから夜寝るまでのスケジュールを細部まで検証して、準備をするための具体的なステップを紹介する。
2020年に仕事場から集団脱出した何百万もの人々が、2021年、オフィスに戻ってくる。
通勤が要らない生活を堪能してきた人々は憂鬱を感じ、今後も何とかリモート勤務を継続する、あるいは少なくともハイブリッド勤務にする交渉ができないか期待している。一方、在宅勤務に問題を抱えていた人々は、期待感を抱きつつも、職場に戻った後の生活がどうなるかについて一抹の不安を覚えている。
筆者は時間管理のコーチとして、オフィス復帰の初日に対するクライアントの不安を解消するために、どのような準備をすればスムーズな移行が可能か話し合ってきた。
まず、次の質問から始めることが有効だ。「突然、リモートワークに移行したために失われてしまった、よいルーチンは何か」
オフィスで仕事をするという、さらに複雑な状況に対処するには、心の準備や時間管理に役立つルーチンを取り戻す必要がある。以下に、変化にまつわる不安を軽減するためのステップを紹介していこう。
まず、オフィスでの1日を、始まりから終わりまでイメージすることから始める。以下のような点について、具体的に思い浮かべる。
・起床時間。
・朝のルーチンに欠かせないもの(家族、ペット、その他の役割を考える)。
・家を出る時間。
・昼食をどうするか。
・帰宅時間。
・夜をどう過ごすか(夕食づくり、運動、洗濯など)。
・就寝時間。
全体の仕組みをうまく回すために必要な細部まで考えて、紙に書き出してみる。
2020年初めの時点では、こうしたルーチンの多くは当たり前のようにできていたはずだ。しかし、1年間のブランクの後では、仕事のスケジュールをこなす一環として、こうしたちょっとした行動についてもどのように対処すべきか、脳を意識的に再教育する必要がある。