●何もかも重要でないように思える
長期休暇には、日常生活に対して新たな視点を得られるという効用もある。
仕事への取り組み方は、その仕事に対するモチベーションから生まれるエネルギーの大きさに左右される。出社して、やるべきことを順番にこなす、つまりカレンダーに書かれている会議に出席し、やることリストの仕事を片づけ、同僚や顧客の依頼に対処することがルーチン化すると、勤務時間はあっという間に過ぎるだろう。
仕事が終わっても、家では家族としての役割、家事、そしてわずかなリラックスの時間が曖昧に過ぎていく。自分の仕事全般がどのようなインパクトを与えているかに意識を集中させたり、時間の使い方を考え直したりする時間は、日々の生活の中にはあまりないものだ。
長期休暇を取ると、優先順位が入れ替わる。休暇中は、家族や友人とゆっくり時間を過ごすことができる。旅行に出かけたり、運動したり、あるいは読みたかった本を寝転んで読んだりして、仕事とは別の情熱を取り戻す機会にもなるだろう。
職場に戻る時には、自分が行っている数々のタスクが、努力に値するものであることを自分自身に納得させる必要があるかもしれない。
それには、過去数カ月間に行った仕事を振り返り、その成果を列挙してみる。大局的見地から見て、あなたはどのようなことを成し遂げただろうか。人々の生活にどのような影響を及ぼしただろうか。
仕事に対する使命感は、たとえ大きなチームの一員にすぎないとしても、自分が遂行しているタスクが重要な成果に結びついていると理解することで実感される。
また、自分の仕事がより大きなパーパスに適い、それによって他者とのつながりを実感できると、自分が携わっているタスクに対する満足度が向上することが、従業員幸福度に関する多くの研究によって示されている。
長期休暇が終わって仕事に戻る時には、自分の仕事が単なる職業ではなく、使命であることに目を向けるとい。