
家族や友人とゆっくり過ごしたり、ふだんはできない趣味に没頭したりする。長期休暇の過ごし方はさまざまだが、仕事を離れた時間を持つことの効用は数多い。だが、いざ休暇を終えて仕事に戻ろうとしても、気が進まない時がある。仕事が山積みでどこから手をつければよいかわからなかったり、目の前の業務を行う意義を見失ってしまったり、仕事自体がマンネリ化していたりするからだ。本稿では、休暇明けの再始動が難しい3つの主な理由を取り上げ、それぞれの対処法を紹介する。
長期休暇は、仕事を続けるうえで重要なものだ。仕事を離れてリラックスし、みずからを振り返り、充電することには、いくつか利点がある。だが、休暇が終わっても、仕事に戻る意欲が湧いてこない時もあるだろう。
リモートで仕事をしている場合は、特に日常に戻ることが難しいかもしれない。なぜなら、自分の不在中に仕事を続けていた人々が、すぐそばにいないからだ。
休み明けに仕事が進まない理由はたくさんある。自分に活を入れるためのステップを踏む前に、再始動が難しい理由について、もう少し理解しておこう。仕事にすんなりと戻れないのはなぜか、よくある3つの理由とそれぞれの対処法を以下に紹介する。
●仕事が山積みで征服できないと感じる
休暇中はオフィスを離れるため、物理的にも精神的にも仕事から離れることになる。以前の論考でも触れたように、物事から離れれば離れるほど、それに対する見方が抽象的になることが、多くの研究によって示されている。
仕事に関して言えば、距離を置くことは諸刃の剣だ。自分が何に優先順位を置いているかを考える機会になる(これについては次のセクションで取り上げる)一方で、やらなければならない仕事が山積みで、とても自分の手に負えないように思えてくる。
大きなプロジェクトの締め切りを抱えていると、実際にどうすればやり遂げられるのか、見当がつかなくなることもあるだろう。
そのように、プロジェクトを完遂できないと感じると、人は身動きが取れなくなる。なぜなら、研究が示しているように、仕事の重要度と実際に成し遂げられる確率の両方が高いほど、その仕事をやり遂げるモチベーションが高まるからだ。言い換えれば、自分ができないと思ったタスクに対しては、着手しようとするエネルギーが湧いてこない。
このことはつまり、抽象的なタスクを、具体的で遂行可能なステップに置き換える必要があることを意味する。そのためには、やることリストを見直して、大きな仕事は要素分解し、それぞれの部分に取り組む時間を割り当てる。
どこから手をつければよいか悩んでいる場合には、同じようなプロジェクトを成功させた経験者から助言をもらうのがよいだろう。また、手を貸してもらいたい同僚に声をかけ、それぞれ協力してもらえるのはいつかを確認する。メンバーの都合を確定させてから、自分の担当部分について期限を設定することもできる。