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2015年にジャック・ドーシーが復帰するまで、ツイッターの業績は必ずしも順調とは言えなかった。フェイスブックやスナップチャットの急成長を目の当たりにして、戦略的方向性を見失いつつあったからだ。ドーシーはその苦境を乗り越えるために、戦略策定にある理論を応用した。クレイトン・クリステンセンが提唱した「ジョブ理論」である。イノベーションやマーケティングで活用されることが多いが、本稿ではジョブ理論を戦略に取り入れる方法を紹介する。


 ツイッターのジャック・ドーシーCEOは2021年7月、第2四半期決算発表の電話会議の冒頭で、証券アナリストに同社の戦略を次のように説明した。

「私たちは3つのコア・ジョブに焦点を当てた機能やサービスを連携させ、エコシステムを構築していきます。すなわち、何が起きているかを伝えるニュース、議論と会話、人々が報酬を得るための支援です」