7. 自分が要点を話し終えたタイミングを知る

 話し手の頭の中で、「相手はまだ理解していない。話し続けろ!」というやっかいな声が響く場合がある。この内なる声は、あなた自身の不安から生じるものだ。しかし、それは間違っている場合が多く、信用してはいけない。

 伝えたいポイントを伝え終えたら、発言を止めて、会議を前に進めよう。疑問点があれば、出席者から質問が出るはずだ。このアプローチには、他の出席者の発言時間を確保できるという利点もある。

 8. 謝辞は簡潔に伝える

 リーダーがチームに対して称賛や支援、励ましの言葉を伝えるのは素晴らしいことだが、その言葉が長くなるほどインパクトは弱まる。話が延びれば、さらに、さらに……そして、やがては気まずい雰囲気になる。

 要領を得ない話ほど逆効果なものはない。そのため感謝の言葉は15秒以内にまとめよう。同時に、「ありがとう」の一言には大したインパクトはないことも認識しておくべき。常に「なぜか」を伝えよう。称賛や感謝の意を伝える際には「誰が、何をし、それが組織やチームの目標にどんなインパクトを与えたか」というテンプレートが有用だ。

 9. メンバーが要点を伝えられるようサポートする

 会議中に、メンバーが要点や提案を明確にすることなく正式なプレゼンテーションを行った場合、「あなたのお勧めはどれか」「我々がすべきことについて、どんな提案がありますか」とていねいに質問することで、穏やかに提案を促すことができる。このような誘導的な質問を繰り返していくうちに、相手もやがては単に考えを伝えるだけでなく、ポイントを伝えるという重要なリーダーシップ・コミュニケーションスキルに気づくはずだ。

 10. 有意義なアクションステップで締めくくる

 会議の最後に、誰がいつ、何をするのかという次のステップを明確にすることで、会議後も勢いを持続させられる。行動を担うのは、マネジャーでも事務アシスタントでも、委員会、あるいはあなた自身でもよいが、アイデアを記録して保管するだけでなく、それを前に進められる人物であることを確認しよう。

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 会議のリーダーの中には、会議が始まれば自分の仕事は終わりだと思っている人や、自分を単なる記録係や「アジェンダ警察」だと思っている人があまりに多い。しかし、会議を運営する立場であれ、チームを率いる立場であれ、リーダーはリーダーだ。自由に使えるすべてのコミュニケーションツールを駆使して、重要なポイントが効率的かつ効果的に提起され、議論されるよう万全を尽くすべきだ。


"10 Tactics to Keep Your Meeting on Track," HBR.org, January 05, 2022.