●チームを守る「盾」になる

 よいリーダーはたいてい、チームが現実離れした難しい課題や優先度の低い課題を押しつけられないように努めるものだ。業務量は変わらないのにメンバーの数が減っている状況では、そのような行動がとりわけ重要な意味を持つ。優先順位を厳格に判断し、不必要な業務や価値の乏しい業務を素早く切り捨て、優先順位の低い要求をはねのけることが極めて重要だ。

 また、受け入れるべき要求と断るべき要求の判断基準をはっきりさせ、その基準をチームに示そう。そして、メンバーが自分の判断に基づき、断るべき要求を拒否できるようにする。メンバーが現実的に考えて対処できない要求をされた時、それを拒むように促すことが重要だ。

 メンバーにとって、「ノー」と言うのは難しいと感じる場合もある。上司や社外のステークホルダーからの要求であれば、それは特に難しいことかもしれない。そのようなケースでは、あなたが関与することで、あなた自身がメンバーの姿勢を支持していることを示すべきだ。もし必要であれば、あなたが先頭に立ち、明確な理由とともに「ノー」と言ったり、「いまやることではない」と主張したりしよう。

 ●つながりを生み出す

 困難な課題に一緒に取り組み、ほかのメンバーが自分の味方でいてくれると思えれば、メンバーの士気が高まる。「私たちはともにある」という連帯感を育み、メンバーが互いに助け合う雰囲気をつくろう。あなたが率先してそのような行動を取り、ほかの人たちにも同じような行動を奨励すればよい。

 やがては、それが「戦友意識」を生み出し、職場だけに留まらない、長期にわたる友情を育むことにつながる。ギャラップの調査によれば、職場に親友がいることで、生産性とエンゲージメントの両方が向上するという。

 また、より個人的なレベルでメンバー同士のつながりが育まれるように時間を費やそう。たとえば、会議の冒頭で互いの近況を報告したり、メンバーの誕生日を祝ったり、仕事終わりにハッピーアワーを開催したり、それ以外の楽しめる活動を企画したりすることでもよい。

 メンバー同士が個人的に親しくなる機会を設けることは、燃え尽きの原因になりかねない、孤独感の高まりを防ぐ手段になりうる。ワークプレイス・エキスパートのジェニファー・モスは著書The Burnout Epidemic(未訳)の中で、こう述べている。「個人的つながりを育むことは、職場でエンゲージメントと幸福感を高めるだけではない。そのようなつながりは、人間を人間たらしめるものでもある」

 メンバーの誰かが辞めた時、それはチームのあり方を見直し、メンバー同士の結束を固める機会になる。個々のメンバーとチーム全体の士気やパフォーマンスを維持するだけでなく、向上させる可能性があるのだ。本稿で提示した行動を実践すれば、これからの退職者を減らし、チーム全員のモチベーションとエンゲージメントを高めることができるだろう。


"How to Motivate Your Team When People Keep Quitting," HBR.org, February 21, 2022.