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プロジェクトに貢献したり、問題解決に関与したり、さらにはコロナ禍で退職した同僚の仕事を引き継いだり、自分は多くの仕事を成し遂げている。にもかかわらず、上司から「期待に応えていない」と告げられたら、あなたは何をすべきだろうか。上司の不当な評価に憤慨したり、悲嘆したりする前に、上司が把握していない成功事例を伝えて、正しい評価を下すように求める必要がある。本稿では、成績不振者という不当なレッテルを貼られたと思った時、あなたが取るべき4つの行動を紹介しよう。


「あなたは降格です」と、筆者はある日突然、当時の上司から電話で告げられたことがある。「見かけだけで、何の役にも立っていないのは明らかです。もはや、いまの仕事にまったく貢献できていない」と言われたのだ。

 具体的な説明を求めたものの、まともな答えは返ってこなかった。筆者は前年に最高ランクの成績を収めていたにもかかわらず、突如として「成績不振者」のレッテルを貼られたのだ。

 筆者に提示された選択肢は2つだった。別の部署で産休に入った人の代替要員として、自身のキャリアビジョンには沿わない仕事をするか、もしくは業績改善計画(PIP: Performance Improvement Plan)を課せられ、最終的には会社から追い出されるかのどちらかだ。

 その2週間後、黒人男性ジョージ・フロイドが白人警察官によって殺害される事件が起きた。すると一転して、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン責任者として、社内で最も重要なリーダーの仲間入りをすることになった。

 後になってわかったことだが、上司が筆者を降格させようとした理由は、部署のコスト削減のため、そして産休に入った人の代替要員が見つかっていなかったためだった。筆者に成績不振者のレッテルを貼ることで、彼と会社にとって2つの重要な問題を、一石二鳥で解決できると考えたのだ。

 米国労働省によれば、成績不振者にかかる推定コストは、その人物の初年度の期待年収の少なくとも30%以上に相当するという。これは驚くような数字ではない。成績不振者は重大なミスを犯す可能性があり、欠勤も少なくない。顧客とのコミュニケーションがうまく取れずに信頼関係を損なったり、上司の時間を奪ったり、あるいはチームの人材定着にネガティブな影響を及ぼしたりするおそれもある。

 成績不振だと言われたい人はいないが、正当な理由があってそう言われることもある。しかし、正当な理由が一つもないにもかかわらず、期待に応えていないと言われたらどうだろうか。

 成績不振者というレッテルは、あなたの社内の評判にも、仕事を継続する能力にも、自分の自信にもネガティブな影響をもたらす。以下、不当なレッテルを貼られたと思った時、あなたが取るべき4つの行動を紹介しよう。