フレキシブルタレントとオープンタレントが活用される理由

 フレキシブルな雇用モデルには、従来から次の3つの目的がある。

・第1に、柔軟性があるため、組織は人員を増減しやすく、労働需要の変動に対応することができる。

・第2に、フルタイムでの雇用が正当化されない場合や、既存の派遣型人材ソリューションの諸経費がプロジェクトの進行を遅らせたり、法外なコストがかかったりする場合に、フレキシブルモデルであれば小規模なタスクのアウトソーシングが可能になる。

・第3に、フレキシブルタレント戦略は、従来の採用パイプラインを超えて、革新的で多様なスキルセットへのアクセスを可能にする。ネットフリックスや米航空宇宙局(NASA)など業界のリーダーは、社外の人材が参加するコンテストが、社内の類似プロジェクトにおけるイノベーションのベンチマークを上回ることが少なくないと気づいた。

 しかし、企業がオープンモデルを採用する時、そこには障壁がある。オンライン労働市場を先導するアップワークの営業チームは、潜在顧客が共通の問題に直面するのを目の当たりにしてきた。

 フレキシブルタレントの大多数がリモートワークを行っており、雇用主はリモートワーカーを雇用することに大きな不安を抱えていた。また、企業の慣性(イナーシャ)や官僚主義、知的財産(IP)やセキュリティリスクに対する懸念、オープンタレントを効果的に活用するためのツールや管理手法に精通していないことも抵抗を生んでいる。

 その結果、企業は主にローカルな労働市場や既存の採用ネットワークから人材を探し、主に従来型の雇用形態で人材を確保してきた。

 しかし、この状況は変わり始めている。筆者のオジメクが企業の代表者パネルに実施した調査では、採用担当マネジャーの半数以上が、パンデミックの間もそれ以降も、リモートワークの普及によってリモートで働くフリーランサーを活用する能力や意欲が高まったと回答している。

 このようなモデルに関心を持つ労働者が増えてきたことで、労働者供給も増大している。自営業の割合は過去1年間で急増しており、大退職時代(グレート・レジグネーション)の波に乗ろうとしている人の多くが、働き方に柔軟性をもたらし、自分の生活をコントロールしたいと考えていることを裏付けている。

 米国の生産年齢層を対象に代表性を持つ調査を実施したところ、パンデミック下でほぼリモートで働くことができた回答者の5人に1人が、リモートワークを継続するためにフリーランスとして働くことを検討していると回答した。フリーランスになることを検討する人たちが最も重視するのは、より柔軟な勤務形態だった。

 アップワークの一連の調査で、回答者は、フリーランスの雇用を増やすという選択肢に機会を見出し、関心を持っていると答えた。過去1年間で、独立して働くスタッフと仕事をしたあるいは雇用したことがある回答者は、外部の助けがなければ、自分で仕事をしていた(35%)か、チームに仕事を依頼していた(28%)と答えている。後者は、バーンアウト(燃え尽き症候群)の誘因になりかねない。

 また、20%が外部のサービス会社に依頼した、3%が人材派遣会社に依頼したと回答し、フルタイムの従業員を雇用したと答えた回答者の割合はわずか8%、そして回答者の6%は単純に仕事が完遂できなかったと答えた。

 回答者はまた、パンデミック下に相当数のフリーランサーと契約し(53%がパンデミック前よりも多くのリモートのフリーランサーを活用したと回答した一方で、フリーランサーの雇用が減少したのはわずか6%)、今後2年間でさらに活用する予定だと回答した(47%対11%)。