●ハイブリッドの世界では、これまでと異なる方法で社会資本を再構築する

 リモートワークが職場の人間関係に与える影響を誰もが感じているが、「ワーク・トレンド・インデックス」のデータは、そのことを明確に示している。

 ハイブリッド勤務者の58%が、この1年間に直属のチームと良好な関係を維持していた。一方、フルタイムのリモート勤務者で同様に答えたのは50%に留まり、直属のチーム以外の人と強力な人間関係を維持していると回答した割合は42%にすぎなかった。

 新たに入社した従業員は、サポートをより必要とするグループであることも、データからはっきりと示された。彼らは職場の人間関係が貧弱で、56%が、向こう1年間で転職を考える可能性が高いと答えている。

 組織は、過去2年で失われた社会資本を再構築する唯一の方法は、出社勤務を再開することだと考えるべきではない。人間関係を構築できる時間と場所を設け、ネットワークづくりや対面でのつながりを優先するよう(特にリモート勤務者と新入社員に対して)奨励すれば、従業員が失った機会を補うことができるだろう。

 出社勤務を再開する従業員は、2020年3月にオフィスを後にした時と違う。最大の変化は、彼らの期待だ。この2年間に刻み込まれた刻印を、私たちは今後何年にもわたり感じていくことになるだろう。リーダーがその波及効果を乗り越えていく中で、新たな考え方や働き方に適応し、積極的に受け入れることによって、競争優位をもたらし、競争の先頭を走るような組織に成長させることができるはずだ。


"5 Key Trends Leaders Need to Understand to Get Hybrid Right," HBR.org, March 16, 2022.