●永続的なパーパスを特定する

 インターン、海外生活、パートナー探しなど、多くのパーパスの源泉は一時的なものだが、その一方でアイデンティティの核となるものもある。

 永続的なパーパスの源泉は、自分自身を安定させ、最も激しい嵐を乗り越えるための人生の錨となる。筆者の場合、宗教的信仰、父親としての役割、配偶者へのコミットメント、執筆活動などが、永続的なパーパスである。

 あなたには、また別のパーパスがあるだろう。あなたの中核には、自分自身を定義付けるような不変のパーパスの源泉がある。これを特定し、大切にしながら、その周辺の要素を構築していくことが、人生の転機を意義あるものにする土台となる。

 たとえば、それは職業にまつわるもので、医師としての、あるいは子どもたちと接する職務に対しての、いつまでも消えることのない深い使命感かもしれない。またある時には、中核となるアイデンティティ(例:父親としての役割)が、働き方(例:より柔軟に時間を組める在宅勤務)を決める際に影響を与えるかもしれない。

 ●行き詰まりを打開する

 コロナ前の生活は過去のものになったが、コロナ禍の習慣がそのまま続くこともないだろう。コロナ禍で静かに自粛生活をしていた人も、遅かれ早かれオフィス勤務や外食を再開し、社会に戻ることになる。

 2年間リモートワークを行ってきたとしたら、おそらく再び習慣を変えることになり、バーチャルコミュニティと物理的コミュニティのバランスを取ることになるだろう。行き詰まりを感じながらも、現在の仕事にしがみついてきたのなら、いまこそ仕事を再構築するか、新しい道に進むべきだ。

 2年前、人生において、特に仕事に関してどの点で行き詰まりを感じていただろうか。また、コロナ禍で身につけることを余儀なくされた新しい習慣のうち、コロナ後に変えるべき習慣は何だろうか。コロナ前の2019年の自分に戻ってはいけないし、自粛生活を続けるべきでもない。

 かつてないほど普遍的な改革のチャンスが訪れた時に、立ち止まってはならない。毎日通勤することは不健康だったのか。これから通勤はどうあるべきか。型通りに仕事をしているだけで、何も学習していないというキャリアの袋小路にはまっていなかったか。ジョブクラフティングを通じて、どうすれば仕事の再活性化を図れるか。